2012年6月6日水曜日

中国で急増する「外国生まれ」のテレビ番組

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レコードチャイナ 配信日時:2012年6月5日 21時9分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=61835&type=0

中国で急増する「外国生まれ」のテレビ番組
=オリジナリティーの貧困を憂慮する声も

 2012年6月4日、人民日報海外版によると、中国で人気を博しているネットバラエティー番組「大鵬[口得][口巴][口得]」のオープニング映像が、米国のコメディアン、コナン・オブライエン氏の深夜バラエティー「コナン」のパクリであったことが判明し、番組を介した司会者同士のユーモラスなやりとりが話題となった。

 また、オーディション番組「超級女声」は米国の「アメリカン・アイドル」、お見合い番組「非誠勿擾」は英国「テイク・ミー・アウト」との類似が指摘されている。
 オーディション番組「中国達人秀」の原型は英国「ブリテンズ・ゴット・タレント」であり、中国では外国生まれのテレビ番組が浸透している。

 初期の番組はほとんどが単なる模倣だったが、本家とはかけ離れたクオリティーのために「パクリ」だとの指摘を受け、各局が版権の購入に踏み切るようになった。 
 「中国達人秀」は、中国が初めて海外番組の版権を購入したケースだ。
 この場合、進行や効果に関して本家からの指導とマニュアルの提供を受けることができる。

 厳しい競争や視聴者の教育レベルの向上に伴い、上質な番組が求められるようになっている。
 成功実績のある海外番組であれば、リスクとコストを減らすことができる。
 その一方で、創作意欲の低下を招く可能性も指摘されている。

 ただし、海外で成功を収めた番組が、必ずしも中国で受け入れられるとは限らない。
 英国のゲーム番組「ザ・キューブ」の中国版「夢立方」は、ゲームの特殊効果が売りの番組だが、中国の視聴者のウケは今ひとつだという。
 模倣も版権購入も、自国で受け入れられる形にすることが最も重要なのである。

 今では多くの番組で「海外番組の版権を取得」というテロップが表示され、オリジナルの番組を見る機会は減り続けている。
 専門家は、「オリジナリティーとは二種類に分けられる。
 一つはすべて自分の頭で考えるオリジナリティー。
 もう一つは人の助けを借りたオリジナリティー。
 模倣も版権購入も、後者に属する。
 見た目はまったく同じ瓶でも、入っている水が違う。
 どんな水を、どのくらい入れるのか、自らのオリジナリティーが問われる」と語る。

 中国伝媒大学副教授で、テレビ司会者でもある張紹剛(ジャン・シャオガン)氏は
 「成熟した海外番組からその法則を学ぶことで、新たな創作の法則を見つけ出すことができる。
 自らを豊かにするプロセスであり、オリジナリティーの貧困に陥る可能性を深刻に心配する必要はない」
と語っている。


 昔、日本でテレビ放送が始まったとき、主要な番組の大半はアメリカのテレビ番組だった。
 たとえば、「スーパーマン」「パパはなんでも知っている」「モーガン警部」「ローンレンジャー」などなど。
 それは、国内ではドラマが作れなかったからだ。
 そのアメリカテレビブームが突然終焉を迎えた。
 答えは簡単で、国産ドラマが作れるようになったからだ。
 それだけ製作の裾野が広がってきたからだ。
 中国でも同じだと思う。
 今はパクリでやるしかない。
 でも、早晩人材の裾野が広がれば自前で番組のアイデアを出して作れるようになるだろう。
 時間の問題、だけだと思う。



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