2012年6月17日日曜日

韓国自動車を待つ厳しい前途:大風呂敷を広げないと

_

● 現代自動車はどこに、カヤの外?



朝鮮日報 記事入力 : 2012/06/17 09:35
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/17/2012061700146.html

【コラム】「無敵・現代自」に立ちはだかる三つの関門

5月7日には起亜自動車の「K9」、16日には現代自動車の新型「サンタフェ」の出荷が相次いで始まった。
これら2車種は最近、飛ぶように売れている。
新型「サンタフェ」は、すでに成立した契約だけでも2万台に上り、今から注文した場合は3カ月待たなければならない。
「K9」も2カ月の待機は覚悟すべきだろう。

これは、昨年「最大実績、最多販売、最高マージン」の3冠を達成した現代自グループの人気を物語っている。
現代自は自動車販売のオフシーズンといわれる今年1-3月期にも、2兆4515億ウォン(約1651億円)の当期純利益に11.3%の営業マージンを達成、ドイツの自動車大手、BMWに迫る勢いを見せた。
自動車需要が減少傾向にある欧州市場でも先月6.1%のシェアを獲得し、月間基準で史上初の6%の壁を突破した。
一部では
“無敵・現代自動車”の全盛期が始まった
という声さえ聞こえる。

しかし、世界ランキング第5位(販売台数基準)の現代自が今後も好調さを維持していくためには、少なくとも三つの関門をパスしなければならない。

①.一つ目は、日本車の大反撃だ。
昨年、東日本大震災と円高で減速を余儀なくされたトヨタ、日産、ホンダの「日本車ビッグ3」は、今年1-3月期の営業利益が前年同期比で最大5倍近くも急増し、完璧な復活を遂げた。
これら日本のメーカーは、インドや中国などの新興市場に特化した600万-1000万ウォン(約40万-67万円)台の戦略車種を一斉に発売した。
まさに現代自をターゲットにした宣戦布告といえよう。
日本の自動車メーカーは最近、資金繰りが改善された上、円安効果で価格競争力までも確保している。
トヨタは今年1-3月期に史上最大実績(四半期基準)を計上して世界トップに返り咲き、日産は今年5年ぶりとなる最大規模の純利益達成を目標として掲げている。

②. 二つ目は、中国市場での勝利だ。
世界最大の自動車市場である中国でトップを行くフォルクスワーゲンは、中国東北部の長春と中部の上海に続き、南部の仏山と西部の新疆ウイグル自治区で来年から現地工場を運営し「チャイナ総攻勢」を本格化している。
BMWは新型「3シリーズ」の全長を長くしたロングバージョンを、最高級スポーツカーを手掛けるランボルギーニは史上初のSUV(スポーツタイプ多目的車)「ウルス」を最近発売した。
全ては中国市場で第3位の現代自を狙ってのことだ。
また、トヨタが江蘇省常熟市に大型研究開発(R&D)センターを建設し、中国型ハイブリッドカーの販売に乗り出したのも、同じ脈絡といえる。

③. 三つ目に、競合他社よりも劣る電装(電子装置)技術の改善と次世代電気自動車(EV)の開発。
これも大きな鍵となる。
現代自動車が相手にもされない状況
で、ゼネラルモーターズ(GM)やフォルクスワーゲンなど米国やドイツの8社連合と、日本のメーカーは、電気自動車の充電方式や規格をめぐり、すでに標準をめぐる競争を繰り広げている。
自動車の生産方式がプラットホームを共用する次元を越え、モジュールやレゴブロック型(MQB:重要な部分を規格化し、一部分だけを調節。部品やシステムを共有化して生産する)への変化を遂げているのも、大きな要因だ。

トヨタは2007年に2兆円の営業利益を計上し「不敗神話」の主人公にまで上り詰めたものの、わずか2年で赤字企業へと転落した。
世界の自動車業界には、油断が一瞬で災いに転じてしまうという冷酷さが宿っている。
これこそ、現代自が今、自分の姿におごらずに、かぶとの緒を締め直さなければならない最大の理由だ。


上は外部事情。
とくに目につくのは、韓国自動車は完全に新技術に遅れてしまった、ということだろう。
下は内部事情。
現代自動車は今がピーク、明日はどうみても暗い。


朝鮮日報 記事入力 : 2012/06/17 09:59
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/17/2012061700163.html

【記者手帳】労組の前にひざまずく現代自

現代自動車の労使は、5月17日に発生した労組副委員長と警備員の暴力事件をめぐり、対立を深めてきた。
労組側は「酒に酔った警備員が意図的に労組幹部に暴力を働いた」と主張し、会社代表の謝罪と共に責任者の処罰までも要求した。
一方、会社側は「先に労組幹部たちが警備員に集団暴力を加えたため、双方入り乱れての殴り合いに発展した」と反発、当時の状況が記録されている警備室の動画を公開した。

しかし労組側は、真実が明らかになる前に「全工場にわたる週末特別勤務の拒否」を宣言、全国の現代自の生産ラインを5月19-20日、26-28日の計5日間にわたって停止させてしまった。
これに対し会社側は、作業復帰を求める公文を出し、計10人の労組関係者を告訴・告発するなど強く抵抗し、
「明白な事実があるだけに労組に屈しない」
と覚悟を決めていた。

そんな会社側が5月30日、突然「白旗」を揚げることになった。
これまでの暴力事件や責任については一切問わず、労組側が要求した三つの事項をそっくりそのまま受け入れる内容だった。
蔚山工場長の名義で謝罪文を掲載し、責任者3人を懲戒処分としたほか、非正規職労組が蔚山工場内で集会を開くことも許可した。
当然、労組関係者の告訴や告発は全て取り下げられた。

これについて、蔚山工場の関係者は
「ラインを止められれば会社は結局ひざまずく以外にないという労組側の作戦に、再び屈する形となった」
と話した。
現代自は、労組によって2週間にわたる「週末特別勤務」を拒否されたことで、生産日程などに大きな支障を来した。
注文が2万台以上も滞っている新型サンタフェなど人気車種の出荷が遅れ、顧客からの抗議が相次いだほか、海外輸出にも支障を来した。
これに対する責任を問うだけでも足りないくらいだが、労組の武力デモの前に、会社側が自ら「責任を負わなければならない加害者」になり下がってしまったわけだ。

「強硬闘争労組」の再建を目指す現執行部は5月31日、「反撃、こうなっては賃金闘争だ」と題するビラを配り「今後は賃金闘争でさらに大きな成果を上げる」と雄たけびを上げている。

労組の無理な要求に対する現代自の対応は、常にこうしたやり方に終始する。
前後関係を確認したり、善悪を判断することもできず、ただ威力の前にひざまずいてきた。
これについて、ある中堅幹部は「こうなることくらい、初めから分かり切っていた」という。 
今や現代自の労組に対する無気力な対応は慢性化してしまっているようだ。


日産は労組の力の前に屈してきた会社だ
これを立て直すのに、日本人には出来ないと判断してフランスからカルロス・ゴーンを引っ張ってきた。
ゴーンはバッサバッサと労組を切り刻んで追放してしまった。
そして蘇った。
だが、日本人にとっていまのニッサンはルノーの子会社であって、民族系の会社という肌合いを感じることはなくなってしまった。
日本の来た道を、今、韓国自動車が歩いているということがいえる。
そういうことは、
おそらく現代自動車は近い将来、中国資本下に入ることになるだろう、という公算が大きい会社であるということでもある。



朝鮮日報 記事入力 : 2012/06/19 08:53
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/19/2012061900545.html

現代自、ハイブリッドカー35万台目標

現代自動車グループは、ハイブリッド車の生産能力を増強し、業界トップのトヨタ、ホンダに世界市場で真っ向勝負を挑む。

自動車業界によると、現代自グループの鄭夢九(チョン・モング)会長は最近、経営戦略会議で、ハイブリッド車を年35万台生産・販売する体制を構築するように指示した。
昨年の販売台数の11倍を超える規模だ。

鄭会長は経営戦略会議で、先行業者に劣らないハイブリッド車を開発したにもかかわらず、販売が伸び悩んでいることを追及したという。
鄭会長は「トヨタけん制」ではなく「真っ向勝負」を現場に求めた格好だ。
現代自は鄭会長の指示を受け、2015年までに年35万台生産体制を整える計画だ。

■ハイブリッド車の生産、11倍に拡大

現代・起亜自の昨年のハイブリッド車(ソナタ・K5)の販売台数は全世界で3万台で、同じ期間のトヨタ(63万台)、ホンダ(19万7000台)に遠く及ばない。
年初来4月までの期間には1万6000台が売れ、好調を示しているが、年間35万台という目標を達成するには、さらに8倍以上販売しなければならない。

現代自は
①.ハイブリッド車の画期的な燃費改善、
②.内需基盤強化、
③.欧州市場進出
という3項目の戦略を立てた。
現時点で海外市場進出は北米だけにとどまっている。
まず、今年秋までに2013年型のソナタ・K5のハイブリッド燃費改善モデルを発表し、年末にも韓国で発売する。
現在1リットル当たり21キロの燃費をトヨタのカムリ・ハイブリッド(23.6キロ)並みに高めるのが目標だ。

内需市場強化に向けては、法人向けの販売に力を入れている。
トヨタは今年1-4月、韓国でのハイブリッド車販売に占める法人向け販売の割合が7%にすぎなかった。
これに対し、現代自は16%、起亜自は29%だった。
現代自は今年3月、LG化学にソナタ・ハイブリッド300台を納入する契約を結んだ。
一方、LG化学はソナタ・K5ハイブリッドにバッテリーを納入する。
また、LGグループの従業員約10万人を対象にソナタ・K5ハイブリッドの購入時に300万ウォン(約20万5000円)の値引きを行っている。

広告などマーケティング活動も攻撃的に強化している。
17日からは燃料節約に取り組む運転を行い、ポイントを貯めたソナタ・ハイブリッド顧客に給油クーポン20万ウォン(約1万4000円)相当を贈るイベントを開始する。

■ハイブリッド専用モデルの開発も

現代自はトヨタ、ホンダのハイブリッド車戦略を細かく検討し、商品戦略を練っている。
トヨタはプリウス(派生モデルを含む)を月4万5000台、小型車のアクアを月2万5000台販売している。
ハイブリッド専用の2モデルがハイブリッド車販売全体の70-80%を占める。
一方、ホンダは小型車フィットのハイブリッド仕様車が月1万台売れ、好調を見せている。

現代自は中型車種のソナタ・K5に続く新モデルとして、中・小型車とハイブリッド専用モデルを同時に検討している。
ホンダのハイブリッドに比べ燃費面で優れたフルハイブリッド方式だが、トヨタの燃費と性能にどう打ち勝つかが課題だ。

現代自は
「特許に基づき開発されたトヨタの技術の壁を乗り越えるのにある程度成功した。
ハイブリッド車でも世界市場で十分に勝負できる」
と自信を見せている。


トヨタ、ホンダに世界市場で真っ向勝負を挑む
と掛け声だけはいいのだが。
「昨年の11倍」が売上目標という。
2倍、3倍ならなんとか理解できる。
でも「11倍」なんて数字、「どうなっている?」
という疑問しか浮かばない。
でも、
 そのくらいの大風呂敷を広げねばならないほどに、追い込まれている

ということなのだろう。



朝鮮日報 記事入力 : 2012/06/26 09:15
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/26/2012062600582.html

ハイブリッド・燃料電池車、トヨタがBMWと提携

環境対策車の開発をリードするトヨタ自動車と高級車市場最大手のドイツBMWがハイブリッド車、燃料電池車の開発で提携する。
トヨタが動力系統の技術を、BMWは車体の軽量化技術をそれぞれ提供する形で、環境対策車分野で「日独同盟」が成立することになる。

25日付日本経済新聞によると、豊田章男社長は近く、ドイツを訪問し、BMWのライトホーファー会長と環境対策車分野での提携に関する共同記者会見を開くもようだ。
両社は昨年12月、排気量1600-2000ccクラスのディーゼルエンジン調達、リチウムイオン電池の共同研究で合意している。
今回の提携は、次世代環境対策車の中核技術である燃料電池分野に協力関係を拡大するものだ。
トヨタが燃料電池車の技術を他社に提供するのは今回が初めて。
トヨタは2015年に燃料電池車の販売を開始する計画だ。

トヨタは今年、ハイブリッド車を120万台生産する計画で、2014年には生産規模を200万台まで増やす予定だ。
トヨタはハイブリッドカー世界最大手としての地位を固めるため、昨年には米フォードとハイブリッド車の共同開発で合意し、マツダにも技術提供を決めた。
トヨタは今回、BMWにハイブリッド車と燃料電池車の技術を広範囲に供与し、トヨタを中心に欧米の自動車メーカーと環境対策車の協調体制を構築する構えとみられる。
スバル、ダイハツを合わせると、トヨタの「ハイブリッド連合軍」は国内外6社に増えることになる。

一方、10年前から炭素繊維の開発を始めたBMWは、トヨタに車両の軽量化と燃費向上の手掛かりを提供することが可能とみられる。
BMWは2年前に炭素繊維専門メーカーのSGLグループと共同で「SGLオートモーティブ・カーボン・ファイバーズ」という合弁企業を設立した。

トヨタ連合軍に加わらず、独自路線を歩んでいる韓国の現代・起亜自動車などが今後、環境対策車開発でどんな対応を見せるかも注目される。
開発を主導するメーカーですら、巨額の開発費用を分担し合うために続々と提携しているためだ。
今年初め、GMがプジョー・シトロエンに出資し、新車開発・生産コストの削減に乗り出したのに続き、ダイムラーもルノー・日産とプラットホームの共用化を進めている。


韓国の自動車は完全に世界の自動車メーカーから「カヤの外」化されてしまっている。
一人でやっていくにはあまりにも過酷。
やはり中国資本参加を仰ぎ見て、中国自動車メーカーとして生き残りをかけることになるのであろうか。



日本経済新聞web 2012/7/16 7:00
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD1002S_S2A710C1000000/
トヨタが口火「究極のエコカー」競争 日米欧で合従連衡も

「究極のエコカー」と言われる燃料電池車(FCV)の開発競争が加速し始めた。
その口火を切ったのがこのほど独BMWと組んだトヨタ自動車だ。
ハイブリッド車(HV)でトヨタは環境車の分野で先行しているだけにFCVで巻き返そうというライバルは多い。
トヨタ―BMWの提携に触発され、FCVの分野で合従連衡の動きが加速するのは間違いない。

日本勢ではトヨタとホンダ、米国ではゼネラル・モーターズ(GM)、欧州では独ダイムラー。
業界関係者の間でFCVの開発競争で「アタマ一つ抜けている」と言われるのがこの4社だ。

なかでもGMはこの分野で長く研究を続けてきた。
ハワイ・オアフ島や環境問題に熱心なカリフォルニア州などに水素ステーションを設け、実証実験を手広く手掛けている。
途中、経営破綻でFCVの開発予算も削られたが、
「FCV特有のユニットなどこれまでの実験や開発のノウハウは他社には負けない」(GM幹部)
と胸を張る。

かつてGMはトヨタとFCVで提携を模索した時期もあった。
2005~06年ごろのことだ。しかし、提携締結の直前になって
「突如、トヨタから提携撤回の申し入れがあった」(同)
ことで話は流れ、以降、それぞれ独自に開発を手掛けることになった。

独ダイムラーも熱心だ。
ダイムラーもGMと同様、10年ごろに初期投資や水素ステーションなどのインフラ投資軽減のために、トヨタに接近していた。
トヨタも一時期、この分野で先行するダイムラーと組むことも視野に入れていた。
しかし、ダイムラーがカルロス・ゴーン率いる仏ルノー・日産連合と資本業務提携を結んだことで一気に両社の提携への機運は冷え込えこんだ。
以降、トヨタ、GM、ダイムラーは独自の道を歩むことになった。

GM、ダイムラーといった欧米勢にとって、HVの確立で「環境のトヨタ」の名を世界に知らしめたトヨタの存在は大きい。
この1~2年内に欧米各社ともHVや電気自動車(EV)などを相次いで市場投入するが
「独自動車部品大手のボッシュやZFなどにHVやEVの主要ユニットを握られているなかで、内製しているトヨタとコスト面で対抗するのは難しい」(独ローランド・ベルガーの長島聡シニアパートナー)
と言われる。

こうしたことから欧米勢は
「HVやEVの開発は避けては通れないが、FCVへのつなぎ」(GM幹部)
と位置付け、究極のエコカーであるFCVで一気にトヨタを追い抜いて環境車の分野で覇権を狙おうともくろんでいる。

GMは昨年来、BMWとFCVの提携交渉を水面下で進めていた。
しかし、今回、トヨタがBMWを取り込んだことで、GMはBMWからFCVの提携交渉を打ち切られた。
充電規格の対立で本格普及に課題が出てきたEVの世界とは異なり、FCVでは水素供給システムの規格で大手11社が統一することで合意している。

膨大な開発費用がかかるFCVの分野で今後どのメーカーが主導権を握るかは
「有力な仲間・陣営作りをいかに進めるかがポイントとなる」(長島シニアパートナー)。

ダイムラーはルノー・日産連合と開発費を負担する方向だが、残るGMやホンダは単独で開発を進めるのか、あるいは提携に動くのか。

先頭集団に追いつこうと国を挙げて開発を進める韓国・現代自動車の動きも注目を集める。
「1台当たり300万円台までコストを下げられるメドがたった」
と語るメーカーも出てきた。
3年後に一斉に市販が始まる「究極のエコカー」を巡り、開発の最終段階に入った各社の水面下での綱引きが一気に加熱しそうだ。




【参考】
2年ほど前の2010年9月の朝鮮日報の記事がありました。

朝鮮日報 記事入力 : 2010/09/23 09:57:28
http://www.chosunonline.com/news/20100923000021
http://www.chosunonline.com/news/20100923000022

「現代自、10年以内に世界4大メーカーに」

「韓国の自動車産業は、世界的なメーカーの追従者となるか、あるいはグローバル業界をリードするかどうかの岐路に立っています」

ソウル市江南区駅三洞のルネサンス・ホテルで8日に開かれた韓国自動車産業学会セミナーでは、今年で10周年を迎えた現代自動車グループのこれまでの成果を振り返り、「今後の課題」についてさまざまな意見が交わされた。

韓国自動車産業学会の会長を務めるソウル大学の朱尤進(チュ・ウジン)教授は、
「現代自はこれまでの10年間に、トヨタやフォルクスワーゲンと共に世界の自動車メーカー30社の中で最も成長した会社だ。
すでに韓国自動車産業は、先進国を追従する時代を脱し、リードする時代に突入した」
と力説した。

■現代自グループ発足10周年…「追従か、リードか選択の時」

これまで現代自は、米国や日本などの大手メーカーがさまざまな新技術や戦略を取り入れて市場をリードしていく中で、ひたすら傍観者として、収益性を検討した上で、一歩遅れて事業に進出する「ウェイト・アンド・シー」戦略を展開してきた。
しかし今や、昨年の販売台数基準で世界第5位にまで浮上した上、2020年までに世界第3位の自動車グループとして成長するとの目標を掲げている。
10年前と比べて規模そのものが大きく変わっただけに、今後は新しい戦略を駆使していかなければならない、と専門家たちは指摘する。

まず、産業研究院の宋秉俊(ソン・ビョンジュン)院長は、
「韓国自動車産業は世界市場をリードする者になるのか、あるいはこれまでの10年間に蓄えた技術力と資本力をベースに、以前よりも速いスピードでライバルの動向に追従する“迅速な追い手”となるかを選択しなければならない」
と話した。
また、
「最高経営者(CEO)は、革新と保守の間でバランスを取り、迅速な追い手として市場での地位を高めていかなければならない」
と忠告した。

一方、愛知大学の李泰王(イ・テワン)教授は
今後、現代自が模範とすべき自動車メーカーは、もはや存在しない。
2020年には現代自とトヨタ、フォルクスワーゲン、フォードが4大メーカーとして浮上するだろう」
と言葉に力を込めた。
従って今は、リーダー的な立場で独創的な力を発揮しなければならないということだ。
その例えとして、トヨタの経営陣が現在、現代自の成功について徹底的に研究しているほか、三菱など一部のメーカーは現代自の「10年、 10万マイル保証」などさまざまな戦略を取り入れている、と紹介した。

また、
日本では、トヨタとホンダがハイブリッドカー競争で“ゼロサムゲーム”(どちらか一方が得をすれば、その一方が必ず損害を被ること)を演じている。
 しばらくは競争の舞台に立たず、適当な時期に総攻撃をかけるべきだ
と提案した。

■新興市場にはリスクとチャンスが共存、官民協力で「スター・プレイヤー」の育成を

こうした中、中国などの新興市場に力を入れて取り組む一方で、政府や学界と協力し、競争力を確保していかなければならない、との意見もある。

中国・武漢大学のリ教授は、
「中国市場で現代自の強みである価格競争力、品質、優れたデザインを維持し、若い消費者が文化的、感性的に共感できる自動車を今後も開発していくことができれば、引き続き成長していくことができるだろう」
と話した。
さらに
「製品の独創性を育てていく一方で、中国など各国政府の環境配慮型自動車の普及政策に積極的に対応していかなければならない」
と、柔軟な姿勢を要求した。

国民大学経営学部の柳智穂(ユ・ジス)教授は
「今後、現代自は世界のリーダーとして飛躍していくために、融合技術を備えた大企業になると共に、優秀なエンジニアを育成していく必要性がある」
と締めくくった。





_