2012年6月3日日曜日

日中対決:習近平政権へ向けてゆさぶり

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 日本が中国を刺激し続けるのは、中国の首脳部の交代が今年あって現政権は何もできないことを読んでいるからであろう。
 さらには新政権に対して、日本は決して折れることはない、というメッセージを送り続けるためであろう。


サーチナニュース  2012/06/03(日) 10:52
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0603&f=politics_0603_003.shtml

日本艦船の訪問、フィリピンを応援か 今後新たな動きも=中国

  フィリピン国防省によれば、日本がフィリピンの近海防衛能力の強化に向け、フィリピン海岸警備隊に巡視艇10隻を年内に供与することを明らかにした。
 中国網日本語版(チャイナネット)は「一連の動きから、南シナ海の複雑な情勢に介入し、フィリピンの主要な同盟国の1つに自らを仕立てようとしている日本の意図が伺える」と報じた。 
 以下は同記事より。

  ◇日本の艦船訪問はフィリピンを応援か?

  米海軍の潜水艦、インドのミサイル駆逐艦と補給艦のフィリピン訪問に続き、5月28日には海上自衛隊の練習艦2隻がフィリピンに到着した。

  こうした敏感な時期に日本の練習艦がフィリピンを訪問した目的は何か?
 中央党校国際戦略研究所の高祖貴教授は、米原子力潜水艦と同じく、日本の行為はフィリピンの側に立ち、フィリピンを応援する意味があるとの見解を示す。

  米国と日本の戦略から見て、フィリピンと中国の黄岩島(スカボロー礁)問題における緊張情勢がすぐに冷めることはない。
 こうした状態は彼らの戦略的需要に適っている。
 この局面が続く限り、日本は武器売却などでフィリピンとの軍事協力を持続的に拡大していける。
 そうでなければ彼らは目的を達成できない。

  ◇日本が新たな動きを展開する可能性も

  高教授は、この2年間の外交・軍事・防衛政策を見ると、日本は西南方向への軍事的存在と影響力を強化し、中国の台頭に対応しようとしていると主張する。
 ただ最近では、尖閣諸島(中国名・釣魚島)や沖ノ鳥島(中国名・沖ノ鳥礁)などの問題に単独で対処するのではなく、米国を引きずり込み、日米安保協力を強化すると同時に、西南太平洋の問題でも仲間を組む傾向にある。

  日本は今後、さらに幅広い分野でより活発な外交的・軍事的動きをみせ、南シナ海の西南方向における影響力と存在感を拡大していくと予測される。
 その範囲が広いほど、東シナ海方面での中国との勝負に有利となるからだ。


 予定されている新政権に過重な負担をかけないようにと現政権は配慮している。
 問題はその習近平である。
 はたして、政界のサラブレッドがドロドロした共産党のトップで舵取りができるかである。
 現政権は多くの問題を先送りしている。
 また、周囲は習近平がリーダーにたてば、多くのことがスムースに運ぶはずだと考えている。
 つまり、過大な期待を担っての登場になる。
 「習近平! 習近平!
なのである。
 がしかし、果たして話がそううまく運ぶだろうか。
 習近平がトップに立ったすべてが上手くいくと、周りが思っているとしたら、危険がイッパイになる。
 日本の政権をみればわかる。
 父親、祖父母を首相にもった子ども首相は、麻生、福田、鳩山といるがはっきりどれもがダメであった。
 期待が大きいだけに失望も大きくなる。
 とすると、政権が流動化する。
 おそらく、就任して2年か3年たったころに、習近平を見限った連中が足を引っ張りはじめる。
 ヘタすると、解放軍は共産党のいうことを聞かなくなる。
 解放軍は党軍であって、国軍ではない。
 共産党内で権力をもった連中に歩み寄ることが解放軍の生き延びるための基本戦略になっている。
 事態がもつれると、解放軍が習近平と距離を置き始めたり、いうことを聞かなくなることもありうる。
 そうした時、減速局面に入った経済と、周りにが反中諸国増えるなかで、よほどにことがないかぎり、習近平政権の安定は保証されないだろう。
 おそらくこのままなら、短期で崩壊し、政界の奪い合いになる可能性が大きい。
 習近平としてはそれを阻止するために、一か八かの勝負に出て、近隣に対して軍事圧力をかけ、国内の目をそらそうとする可能性も大きい。

 日本はおそらくそんな習近平政権を睨んで、
 ここぞとばかりチョッカイをかけている
のではないだろうか。
 


サーチナニュース  2012/06/05(火) 11:54
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0605&f=politics_0605_009.shtml

中国政府、軍事費膨張の指摘に「我が国周辺に脅威多いから」

  中国政府・外交部の劉為民報道官は4日の定例記者会見で、3日に閉幕したアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に関連した質問を受け、回答した。
 鳳凰網が伝えた。

  会議中に米国のパネッタ国防長官が
 米戦艦の60%を太平洋に配備する「戦略の東遷」
について改めて言及したことについて、劉報道官は
 「米国がアジア太平洋地域において、中国を含めた各方面の利益や関心を尊重し、建設的な役割を果たすことを期待する」
とコメントした。

  また、インドと日本の外相が中国の膨大な国防予算に関心を示し
 「周辺国家による軍事支出増加の検討を促すもの」
との見解を示したことについては
 「中国は世界の大国中で唯一、完全な統一を実現していない国だ。
 多方面から安全が脅かされており、自身の利益を守る必要がある
と回答した。

  そして
 「中国の戦略意図は透明であり、絶対に『国が強くなれば覇を唱える』という選択はしない」
という姿勢を改めて強調した。




サーチナニュース  2012/06/05(火) 14:49
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0605&f=politics_0605_021.shtml

米国が軍艦6割をアジア太平洋に配備へ 中国はどう対応するか

  パネッタ米国防長官は2日、2020年までに米軍が保有する戦艦の60%をアジア太平洋に配備すると発表した。
 米軍は少なくとも航空母艦6隻をはじめ、数多くの巡洋艦、駆逐艦、潜水艦、沿海域戦闘艦を太平洋地域に配備することを意味する。
 これについて中国人民解放軍の任海泉中将はこのほど、
 警戒は強化するが、反撃はしない
と語った。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

  任氏は中国代表団を率いてシンガポールで開かれたアジア安全保障会議に出席し、
 「まず重大な事態とみなさないこと。
 これは米国が自らの国家利益や、現在の財政困難な状況、世界全体の安全情勢をもとに取った対応」
と指摘した。
 中国政府は長年、米国の意図に警戒している。軍当局の一部のタカ派は、ワシントンは中国包囲に全力を傾け、中国の台頭を阻止するつもりだとみている。

  任氏は中国軍事科学院の副院長で、同学院は人民解放軍の戦略づくりに協力している。
 任氏は
 「中国が米国の動きに無関心でもいけないが、われわれが現在直面している情勢は非常に複雑で、時には厳しくなる。
 われわれは危機意識を高め、さまざまな複雑な状況に対応する準備をしておく必要がある」
と述べた。





朝鮮日報 記事入力 : 2012/06/05 09:54
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/05/2012060500746.html

米中ロ、アジアの覇権めぐり外交合戦

 「アジアの覇権」をめぐる国際社会の情勢が揺れ動いている。
 米国・中国・ロシアなど主要国が、それぞれアジア各国と「合従連衡(その時の利害に従って、結び付いたり離れたりすること)」式に関係を改善しながら影響力拡大を模索する一方で、お互いをけん制するため激しく競り合っている。
 その根底には
 「間もなく世界の人口の60%、世界のGDP(国内総生産)の50%以上を占めるようになるアジアから追い出されることは、将来の競争で淘汰(とうた)されること」
という共通認識が横たわっている。

米国が撤退するアフガニスタンで中国が介入を拡大

 中国は今週、アフガニスタンとの間で、両国関係に関する広範囲な協定を締結するといわれている。
 中国の胡錦濤国家主席とアフガニスタンのハミド・カルザイ大統領は、このために北京で会談する予定だ。 
米国が2014年までにアフガニスタンから完全に撤退するという方針を確定した状況で、中国には、自分たちが「力の空白」を埋め、地域の盟主としての立場を固める意図があると分析されている。

 米国主導の西側世界が過去約10年にわたりアフガニスタンでテロ勢力と対決し戦争を繰り広げている間、中国はこの地域の政治・安全保障問題に事実上介入していなかった。
 その代わり中国は、アイナク銅山の採掘権を取得するなど、アフガニスタンとの経済的関係にのみ重点を置いてきた。

 しかし中国は、米軍撤退後も依然としてタリバンの脅威にさらされているアフガニスタンの安全保障に、これまでとは異なり積極的に介入することで、中央アジアでの政治的影響力を高め、これに伴う経済的利益も併せて狙っているものとみられる。
 中国はまず、アフガニスタン軍を訓練する人材を派遣する案を推進しているといわれている。

■米国、同盟国・パートナーと共に中国を包囲

 米国は、アフガニスタンからは撤退するが、安全保障の軸を東アジアに移すことで、中国との「太平洋の覇権競争」を加速している。
 特に、韓国・日本・オーストラリア・フィリピン・タイなど「核心同盟」、インド・シンガポール・インドネシアなど「核心パートナー」との協力により、最大のライバル、中国を包囲する戦略を取っている。

 ベトナムを訪問中のレオン・パネッタ国防長官が3日(現地時間)、カムラン湾の米軍艦艇から、南シナ海を背景にして演説を行ったのは、こうした米国の戦略を象徴的に示す場面だ。
 南シナ海は、ベトナムが中国と領有権をめぐって激しい紛争を繰り広げている場所だ。
 パネッタ長官は演説で
 「米国とベトナムの関係を、次の段階にランクアップさせることを望む。
 米軍艦艇のカムラン湾へのアクセスが、両国関係を高める中心的要素」
と語った。
 AP通信は
 「パネッタ長官は“中国”という単語を一度も口にしなかったが、誰が見ても、中国を狙った発言であることは明らかだった」
と伝えた。
 パネッタ長官は、ベトナムに続きインドを訪問し、やはり両国の安全保障面での関係強化に関する案を話し合った。

■ロシア、中国と協力し米国・NATOに対抗

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、5日から7日まで2泊3日の日程で国賓として中国を訪問する。
 大統領就任後初の外遊で、先月米国の反発を押し切ってシカゴG8(主要8カ国)首脳会談を欠席してまで、中国を最初の訪問先に選んだ。

 プーチン大統領のこうした動きは、中国と共にアジアの国を取りまとめる外交攻勢を展開し、米国など西側が主導するNATO(北大西洋条約機構)に対抗する姿勢を演出しようという意図があるものと解釈されている。
 プーチン大統領は、訪中期間中の6-7日に北京で開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議に出席する。
 SCOは、中国・ロシアのほかカザフスタン・ウズベキスタンなど中央アジア4カ国が参加している域内安全保障協力機構だ。
 ここに、今年はイランのマフムード・アフマディネジャド大統領、アフガニスタンのハミド・カルザイ大統領がオブザーバーの立場で出席する。

 プーチン大統領は、胡錦濤国家主席と首脳会談を行い、両国関係の強化についても積極的に模索する。
 昨年からシリアの危機、イランの核開発問題で共同対応してきた両国は、今回もアフマディネジャド大統領と相次いで首脳会談を行い、協力案を話し合うものとみられる。




レコードチャイナ 配信日時:2012年6月12日 10時4分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=62029&type=0

薄熙来事件経て胡錦濤政権は過去10年間で最強、軍も完全掌握している
―遠藤誉・筑波大学名誉教授

 2012年6月11日、中国政府のシンクタンク・中国社会科学院の元客員教授で中国中枢と太いパイプを持つ遠藤誉・筑波大学名誉教授(東京福祉大学国際交流センター長)は、
 「権力移行期の世界・中国」
と題して、日本記者クラブで会見し、
 「薄熙来前重慶市党委書記を失脚させたことで次の政権における危険要素を回避できた。
 胡錦濤政権は過去10年間で最強で軍をも完全掌握している」
との見方を示した。

 中国では中国共産党中央委員会政治局常務委員会委員(9人=チャイナナイン)による集団指導体制がとられている。
 現在、組織の各段階で選挙の真最中で、今年秋の中国共産党全国代表大会でメンバーが決定される。
 厳格な定年制(就任時に68歳未満)があり、国家主席に内定している習近平副主席と李克強副首相以外は引退する。

 代わって政治局委員16人の中から王岐山、劉雲山、李源潮、汪洋の各氏らが選出される可能性がある。
 10年後の国家主席・首相候補として50歳代の胡春華、孫政才両氏が入ることも予想される。
 次期政権は「一習両李(習近平氏と李克強、李源潮両氏)」体制との呼び名もあるほどだ。

 先の薄熙来・前重慶市党委書記失脚事件の本質は、第二の文化大革命による中国共産党体制の崩壊を回避したことである。
 薄氏が文革総括で禁止した「個人崇拝」「民衆運動の政治利用」を全国に広げようとしたことにたいする現チャイナナインの共通の意思の表れだ。
(1)司法の私物化により、冤罪で民間企業から没収した金額が1000億元(約1兆3000億円)に達した
(2)重慶での公安・武装警察・軍隊・新聞の私物化・買収
(3)不正蓄財
(4)夫人の二重国籍問題
―などが党規律違反と判断された。
 胡錦濤氏は主席になる前から、薄熙来氏の野心的危険性を認識しており、遼寧省書記に李克強氏を起用、大連市長・遼寧省長時代の薄熙来氏の行状に関する資料を入手させた。

 したがって、この事件はチャイナナインが結束し、現政権トップと次期政権トップが固く握手したもので、派閥権力闘争ではない。
 「共産党幹部の子弟らの派閥・太子党への打撃」
 「派閥闘争ゆえに胡錦濤政権は弱いので日本にとってチャンス」
といった一部日本メディア報道は間違いで、日本の国策を誤らせる。
 胡政権は過去10年間で最強であり、軍をも完全掌握している。
 習近平氏は次期政権における危険要素を回避できたと、李克強氏に感謝している。

 秋の党大会では貧富の格差を是正する「和諧社会」実現への決意が強調される可能性がある。
 「経済のさらなる発展」と並んで「政治体制改革」がテーマとなろう。
 中国ではインターネット人口が5億人以上に達し、ミニブログ(中国版ツイッター)・ユーザーも3億5000万人を超え、当局による言論規制は不可能になりつつある。
 ただ経済発展により生活が豊かになった国民の大多数はネットを通じた働きかけには「慎重」で、中東などで見られた「アラブの春」的な「体制打倒」にはつながりにくい。

 中国政権は継続的な経済発展と生活の向上、格差の是正を至上命題としている。





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