2012年6月14日木曜日

ルマン24時間耐久レース:ハイブリッドの時代へ

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●ルマンのコースをテスト走行するトヨタのHVレーサー。熱い視線が注がれている=3日(トヨタ・モータースポーツ提供)



産経ニュース 2012.6.13 22:53
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120613/biz12061322570029-n1.htm

トヨタとアウディ、エコカー耐久戦 「ルマン」にHV参戦 

 トヨタ自動車と独アウディが、16日に開幕する世界3大レースの一つ「第80回ルマン24時間耐久レース」に、電気モーターとエンジンを組み合わせた環境にやさしいハイブリッド車(HV)で参戦する。
 ルマンにHVが登場するのは初めて。
 ガソリンエンジンのHVで参戦するトヨタに対し、アウディはディーゼルエンジンのHVで対抗し、最先端技術を競う。

 ルマン24時間耐久レースを舞台にしたトヨタ自動車と独アウディのハイブリッド車(HV)対決は、3日に行われたテストで、1位、2位にアウディのディーゼルHV、トヨタが4位、5位と上位を独占。
 両チームのタイム差はわずかだった。

 トヨタのルマン参戦は13年ぶりで、本格的な国際レースは2009年のF1撤退以来。
 F1参戦時の実動部隊だったトヨタ・モータースポーツ(TMG)が開発した排気量3400ccのHV、「TS030ハイブリッド」2台で出場する。
 「燃費や耐久性などの総合的な性能が問われ、市販車へのフィードバックが期待できる」(内山田竹志副社長)
ため、ルマンをレース復帰の場に選んだ。

 アウディは、欧州のエコカー技術の主流となっているディーゼルエンジンを、参戦するレース用のHV「R18eトロン・クワトロ」に採用した。

 同社は14年にディーゼルHVの市販を検討している。
 「これまでにも直噴エンジン、ディーゼルなどを先行投入し、技術優位性をアピールしてきた」(アウディジャパンの大喜多寛社長)
だけに、優勝してHVの性能や信頼性をアピールしたい考えだ。

 アウディは、ルマンでは2000年から12年間で9勝し、今年は3連覇も狙う。
 一方、トヨタも
 「大きな問題もなく、士気が高揚している」(TMGの木下美明チーム代表)
と初優勝の期待が高まっており、16日の決勝へ、両陣営の熱気は高まるばかりだ。




産経ニュース 2012.6.12 23:24
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/120612/oth12061223240013-n1.htm

ハイブリッドで初Vを トヨタ、元F1中嶋起用

 伝統の自動車耐久レース、第80回ルマン24時間がフランスのルマンで16日午後3時(日本時間同日午後10時)にスタートする。
 日本勢では、13年ぶりに出場するトヨタが元F1ドライバーの中嶋一貴らを起用し、ハイブリッド搭載車2台で初優勝を狙う。

 ハイブリッド車は減速時のエネルギーが電気エネルギーに変換され、蓄えられる。
 3日に行われたテスト走行では2連覇中のアウディ勢に次ぐ4、5番手のタイムを記録した。
 中嶋は
 「最初のテストと違ってしっかり走れた。
 ルマンに向けてマシンをつくってきているのでいい形で臨めると思う」
と語る。

 F1のモナコ・グランプリ、米国のインディ500と並ぶ「世界三大レース」の一つ。
 24時間で1周約13・6キロのサルテ・サーキットの周回数を競う。
 今季始まった世界耐久選手権シリーズの第3戦に組み込まれた。
(共同)




産経ニュース 2012.3.6 08:12
http://sankei.jp.msn.com/wired/news/120306/wir12030608150000-n1.htm



アウディがハイブリッド車でルマンに参戦!

 最も歴史ある自動車レースのひとつ、ルマン24時間レースに、アウディがハイブリッドマシンで参戦すると発表した。

 いま最も旬な自動車メーカーといえば、ドイツのアウディだろう。
 ダヴォス会議の会場から、最先端のクラブまで、あらゆるところでお目にかかる。
 一方アウディの名声には、レースでも素晴らしい成績を残していることも大きく寄与している。
 欧米ではセレブリティもレースが大好きなのだ。

 そのアウディが2012年2月29日、今年のル・マン24時間レースの参戦計画を発表。
 ミュンヘン空港近くに設営された会場で、ハイブリッドのレーシングマシンをお披露目して、世界中のプレスを驚かせた。
 わたしも日本から参加して、この大胆さと先進性にびっくりしたひとりだ。

 いくつものカテゴリーに分かれたルマン出走車のなかでも最高峰に位置するLMP1に属するこのマシン、「アウディR18 e-ttonクワトロ」と名付けられている。
 注目すべきは、ディーゼルエンジンで後輪を駆動しつつ、ストレートなどよりパワーが欲しいときは、前輪を電気モーターが駆動する、ハイブリッドかつ4輪駆動システムをもっていることだ。

 そもそもアウディは、ディーゼルエンジン搭載車でルマン優勝という快挙を成し遂げているが、さらにいま、このマシンで前人未踏の領域へと踏みこもうとしている。

 「ル・マン(24時間レース)は毎年、新しいことへのチャレンジだ」と、アウディのモータースポーツを統括するドクター・ウォルフガング・ウルリッヒは、そう語ってくれた。
 チャレンジ、これも欧米では最も評価される価値だ。
 高級とはその精神を欠いては成立しない。
 その価値観がよくわかるアウディのスピリットに強い印象を受けた。

 2012年のル・マン24時間レースは、6月16日(土)から17日(日)にかけて、フランスで開催される。

TEXT BY FUMIO OGAWA




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