2012年6月20日水曜日

サッカーボール発電:buy one, give fun(ひとつ買って、楽しみを広げよう)

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● サッカーボール発電



ロケットニュース24 2012年6月20日
http://rocketnews24.com/2012/06/20/222419/

世界の子どもたちに笑顔をもたらす発電サッカーボールが素敵すぎる!

 みなさん、世界一人気のスポーツは何なのかご存知だろうか? 
 恐らく多くの人が、その答えを容易に予想できるだろう。
 そう、サッカーである。

 それでは世界の何パーセントの人が、電気なしに生活しているのかご存知だろうか? 
 答えは20パーセントである。
 えっ? 
 なぜこの2つの質問をしたのかって? 
 なぜならこれら2つの事実に目をつけた画期的な発明品が、現在世界を騒がせているからだ。

 その発明品の名前は「SOCCKET」。
 これは発電機能を持ったサッカーボールで、
 30分間このボールで遊ぶだけで3時間分のライトを得られる
ようになっている。



 ハーバード大学出身のSilvermanさんやMatthewsさんが協力して開発したこのSOCCKETは、発展途上国の生活を一変させるツールとして大きな注目を浴びており、あのビル・クリントン元アメリカ大統領は、
 次のようにこの発明品を大絶賛している。

 「これは我々に電気をもたらし、生活の質、労働環境、学習環境を改善してくれる電柱を必要としない解決策です」

 南アフリカですでに試用テストが行われているこのSOCCKETは、耐水性を持っており、そして空気を入れる必要がない。
 これは子どもたちにとって大きな魅力らしく、Matthewsさんは
 「時々このボールを子どもたちに与えると、発電機能を見せる前に、彼らは大喜びします。
 なぜならこのボールは空気を入れる必要がないからです」
と子どもたちからの好評価ぶりについて話している。

 またこのSOCCKETは、
 「発展途上国の人々に灯油ランプからの脱却を促す」
という素晴らしい一面も持っている。
 現在多くの発展途上国では、灯油ランプが使われており、それによって様々な健康被害が生じている。

 世界銀行の推測では、屋内で灯油ランプから生じる煙を吸い込むことは、タバコを一日2パック吸うのと同じ健康被害をもたらすらしい。
 また灯りのために灯油ランプを使用することは、年間約1億9000万トン分の二酸化炭素を排出することを意味する。
 これが3800万台の車が排出する二酸化炭素量と同じだということを考えると、その被害がいかに甚大なものなのかがよく分かる。

 現在Silvermanさんたちは、SOCCKETの製品化に向けて全力を尽くしており、今年の秋までには北アメリカ・ヨーロッパでの発売を開始したいという。
 発売コンセプトは従来の
 「buy one, give one(ひとつ買って、ひとつ寄付)」
というものではなく、
 「buy one, give fun(ひとつ買って、楽しみを広げよう)
という新しいものとなっている。

 貧しい地域の子どもたちにサッカーという楽しみだけではなく、電気という明かりまでもたらす今回の発電ボール「SOCCKET」。
 これによって、世界の多くの場所が明るく照らされることを切に願うばかりである。

(文=田代大一朗)

参照元:Uncharted Play, Daily Mail, BBC(英文), YouTube/bestbuy, soccket

FUTURE INNOVATORS: SOCCKET




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