2012年7月4日水曜日

北方領土:「ここはわれわれの主要な土地。一寸たりとも譲らない」

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CNNニュース 2012.07.04 Wed posted at: 09:43 JST
http://www.cnn.co.jp/world/30007218.html

ロシア首相が国後島を訪問 日本政府は反発

 モスクワ(CNN) ロシアのメドベージェフ首相は3日、日本が返還を求めている北方領土・国後島を訪問した。
 メドベージェフ首相の北方領土訪問に反対してきた日本政府は、首相の国後島訪問の強行に強く反発している。

 メドベージェフ首相はサハリン州の知事と会談した後、国後島に入った。国後島は、ロシアがサハリン州の一部と考えているクリール諸島の1つ。

 藤村修官房長官は同日、メドベージェフ首相の国後島訪問を非難した。
 一方、ロシアのラブロフ外相は記者会見で、メドベージェフ首相の国後島訪問について「コメントすることはない」とし、「首相は予定していた自国の視察を行っただけ」と述べた。
 しかし一方で、近いうちに玄葉光一郎外相と会談し、両国の協力について「実質的かつ建設的」な議論をしたいとも語った。

 メドベージェフ氏は大統領だった2010年11月、ロシアの国家元首として初めて国後島を訪問した。

 ロシアは1945年の第2次世界大戦終戦直後に日本の領土だった北方四島を占拠。
 それ以来、北方領土は日ロ両国の論争のテーマとなり、両国間の正式な平和条約締結を阻む要因にもなっている。




北海道新聞7月4日朝刊掲載 (07/03 16:41、07/04 09:04 更新
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/384795.html

国後訪問のロ首相「一寸たりとも譲らぬ」 実効支配再び誇示

 【ユジノサハリンスク大能伸悟】ロシアのメドベージェフ首相は3日午後、北方領土の国後島を訪問した。
 首相の北方領土入りは、大統領在任中の2010年11月、旧ソ連・ロシアの国家元首として初めて国後島を訪れて以来、2回目。北方領土の実効支配を誇示し、日本の四島返還要求をけん制する狙いとみられ、先の日ロ首脳会談で「再活性化」で合意した領土交渉に悪影響を及ぼす可能性がある。

 首相はユジノサハリンスクから政府専用機で国後島入り。
 現地の北海道新聞通信員などによると、約1時間半にわたり、中心都市の古釜布の港湾や病院、ロシア正教の寺院を訪問した。
 港では、地元の水産加工会社社長の説明を受けながら、ロシア政府の「クリール諸島(北方領土を含む千島列島)社会経済発展計画」の一環で完成した埠頭(ふとう)や建設中の旅客ターミナルを視察。
 病院ではマンモグラフィー導入など医療設備の充実を約束した。

 寺院では「次回はすっかり美しくなっている」と3回目の訪問を示唆した上で、
 「ここはわれわれの主要な土地。一寸たりとも譲らない」
と言い、ロシア政府による領有権をあらためて主張した。

 視察にはゴロデツ副首相とイシャエフ極東開発相、ゴボルン地域発展相、サハリン州のホロシャビン知事が同行した。


 ロシアの外交はうまい。
 名目的には日本・ロシア間の問題だが、ロシアの思惑は尖閣諸島にある。
 ロシアは中国に対して、非常な警戒感をもっている。
 そのため、ときどき日本を刺激して、メッセージを送ってくる。
 日本の対中国政策がブレないように圧力をかけてくる。
 つまり、ロシアは尖閣諸島が中国の手に落ちのを極度に嫌っており、北方領土はロシアのものだ、というポーズで尖閣諸島は日本のものなのだから、中国には絶対に譲歩するなと、というメッセージを送ってきているということである。
 これが、百戦錬磨の外交というものなのだろう。
 さすが、この時期にとってはいいタイミングだといえるだろう。
 このあたりは外務省も理解している。
 ただポーズとしては遺憾の意を大きく表明せざるを得ない。
 外交とはきれいごとではない。
 ドロドロした駆け引きである。
 今回のロシアの動きは、日本にとってはありがたい動きだと言える。
 表面的には、「にっくきロシア」と表現しないといけないが。
 表面的にはロシアは中国に友好を売ってポイントを稼いでいるようだが、本音は中国を日本に封じさせようとしているということだ。
 中国が日本とゴタゴタやっていればロシアは安泰というわけである。



朝鮮日報 記事入力 : 2012/07/04 08:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/04/2012070400457.html

北方領土問題:ロシア首相が国後島訪問
2010年に初訪問、今回は2回目
日ロ関係、再び冷却化か

 ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相が3日、北方領土を訪問し、日ロ関係は再び冷え込むものとみられている。
 メドベージェフ首相は大統領時代の2010年、ロシアの最高指導者としては初めて北方領土を訪問した。
 当時、日本が訪問に反発すると、ロシア側は現地に配備している軍事力を強化し、両国関係は急速に冷え込んだ。

 しかし、ウラジーミル・プーチン大統領が先月19日、メキシコで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議で野田佳彦首相と会談し領土交渉再開に合意するなど、両国関係は雪解けムードに向かっているかに見えた。
 こうした雰囲気のため、日本政府はメドベージェフ首相の北方領土訪問を予想できなかったという。
 今年9月に行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の準備状況をチェックするためサハリン州を訪れたメドベージェフ首相は、3日午後4時に航空機で北方四島の一つ、国後島に到着した。
 メドベージェフ首相は出発に先立ち「ロシア政府の閣僚がクリル列島(北方領土)を訪問することは極めて重要。
 これからも引き続き訪問したい」と強調した。

 北方領土の国後・色丹など4島は、1945年に旧ソ連が占領した。
 その後ソ連は、56年に日ソ共同宣言で歯舞・色丹の】島を返還すると約束した。
 しかし日本は残りの2島も返還することを要求し、領土交渉は中断した。
 その後、ロシアは4島全てを返還しないという立場だ。




サーチナニュース 2012/07/05(木) 10:46
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0705&f=politics_0705_008.shtml

国後島訪問で、ロ首相、日本の反応どうでもいい

 【ユジノサハリンスク共同】ロシアのメドベージェフ首相は5日、自らの北方領土・国後島訪問に、日本政府が「極めて遺憾だ」などと反応したことについて
 「どうでもいいことだ」
とコメントした。
 インタファクス通信の質問に答えた。
 メドベージェフ氏は3日、国後島を訪問。地元住民との対話で
 「領土は一寸たりとも渡さない」
と述べた。

(情報提供:共同通信社)


 まさに、このとおりである。
 ロシアは手本を見せた、ということだろう。
 「尖閣諸島は日本領土であって、中国の反応などどうでもいいこと」
と、教えているようなものなのである。



サーチナニュース 2012/07/05(木) 15:46
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0705&f=politics_0705_020.shtml

領土問題をめぐり、日本が各国から挟み撃ちに=中国

  尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権を主張する活動家が乗った台湾漁船が4日、5隻の巡視船に守られ、尖閣諸島を一周した。
 同漁船は尖閣諸島から600メートルの地点まで接近した。
 中国網日本語版(チャイナネット)は5日、
 「日本は中国、ロシア、韓国、北朝鮮のいずれとも領土係争を抱え、挟み撃ちにあっている」
と報じた。
 以下は同記事より。

  北方領土で日本と係争中のロシアは、メドベージェフ首相が国後島に上陸し、日本を刺激した。

  地図を広げると、日本の周辺にはロシア、韓国、北朝鮮、中国という隣国が存在するが、4カ国との間に領有権を巡る争いが存在することが分かる。
 北ではロシアとの北方領土問題が泥沼化しており、西では韓国や北朝鮮と竹島(韓国名:独島)の領有権を巡り対立しており、南では尖閣諸島問題が深刻化している。
 日本に滞在する中国人学者の庚欣氏は、
 「日本は島の領有権を巡り、各国から挟み撃ちにあっている」
と語った。


 こういう発想をしてくれるかぎり、日本には願ったりといったところだろう。





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